かなり前にこのアンテナの記事を書いたことがあります。
このアンテナをやってみようと決心したきっかけは、JA6BJT田中さんからの薦めからでした。
それまではタワーシャントとINVで何とかやっていましたが、昨今はハイパワー化が進み、大砲とスローパーで強引に持って行く人が多くなり、昔の貯金は減る一方でした。だからといって今更オーバーパワーも嫌だしそろそろ年貢の納め時かと思っていました。
田中さんは160m用の4SQ切り替え器を作り、JA1JRK,JA1HQT,HL3IUA,に使用して貰い良い結果となっているので同じ物を松本さんのために作ろうとと思っているから4SQをやってみないか、というのです。
4SQの良いことは判っていましたがタワーの高さと敷地の関係で私にはやれないもの、と思っていました。まして私はご承知の通りの身障者です。
これから50メートル高のタワーは増設、保守は不可能です。
でもやっても見ないで不可能と思うのも口惜しくて、私には無謀とも思えるこのシステムをやってみて経験してから引退を考えても良いかな、という気になりましたので田中さんに思い切ってお願いしました。
田中さんは返事した時点でもう装置一式を私のために作ってくれていたようでした。
有り難いことです。昔一緒に160mDXをやった仲間というだけなのに、このような好意は身に染みました。
装置はUSAのコムテックシステム社 のものとほぼ同じですが使用部品は同社よりははるかに良いものを使っていました。
自宅廻りのあまり広くない土地なのでスペーシングは完全な4/1波長の正方形ではありません。
(↓平面図)
タワーの低さをカバーするために引き下ろしのエレメントは10mhのグラスファイバーで受けるようにして垂直部分の高さをできるだけ稼ぎました。
その部分を図面に書くと次のようになります。
(↓側面図)
アースはタワードライブの時にノーラジアルでバッチリマッチし飛びも良かったので今回もラジアル無しでやりました。単管も1m埋まっているので正式のアースとパラにしています。
(↓アースの廻り)

給電点は積雪を考えて少し地面より50センチ高くしました。
(下)はその部分のの画像です。

これを4カ所に設置しました。
全景は(下)の通りですが垂直ではなく傾斜形で、これも4SQまがいの由縁です。
写真は2本しか写らなくて実際にはタワーの奥の方にもう2本建っています。
4カ所からケーブルを集めた場所に切り替え器があります。 切り替えスイッチをリグの上に置いて手元で切り替えられます。
方向は 1.EU向け 2.北米向け 3.ZL向け 4.東南アジア向けの4方向で、スイッチで簡単に切り替えられるのは気持ちよいものです。受信はビバレージとは較べられませんがスローパーやINVVよりノイズは遙かに少なくワッチが楽しくなります。
定量的にパターンを測定したりはしていませんが、実際に受信した感じやローカルを相手にテスト電波を出して方向を切り替えてレポートを貰うと予想以上にビームは利いていているようでした。
昨年の雪消えを待って設置し、後はエレメント調整を秋までかかってゆっくりやりました。
アンテナ間は40メートルで畠中のため車椅子は使えないので健常者の20倍くらいの所要時間は要したと思います。
リニアはJRL-2000F(定格500W)を改造して1KWで使用していますが、アンテナ1本当たりは約200W供給ですからメガワット級相手では、いくらビーム状に電波が出ると言っても勝ち目はありません。でもパイルも少し待てば何とかなります。ゆっくりゆっくりです。
色々のことを経験することが出来てJA6BJT田中さんには感謝しております。